読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

青い月のためいき

少女漫画とかアニメとかセクシャリティとかの考察・分析。

【※考察じゃない】新居昭乃の曲とファフナーの共通点について個人的メモ

考察ではないです。単に私は屁理屈屋なのでこじつけが好きなだけです。
個人的に今昭乃さんの歌詞分析2016をやっていて、ファフナーと昭乃さんに共通点を見て「だから私ファフナー好きになったのか~」って遊んでたものを本腰入れて言語化・記録したかっただけです。
※本当に、どうか、この記事にこじつけ以上の含意を見出さないでください。私本人は真面目に共通点らしきものを探っているつもりですが、たまたま読んでくださった方にはこじつけとして汲み取っていただかないとちょっと焦ります。



さくっとメモ羅列。



1.母性の象徴としての空

ファフナー

輝く空は無邪気さを装い全てを知っていた
(『Shangri-La』より)

君の居ないこの世界を見守る変わらない蒼穹
(『FORTUNES』より)

蒼穹は平等に蒼いのにね
(『生命-イノチ-』より)

新居昭乃

振り向けば孤独には空が青く微笑んでくれる
(『懐かしい宇宙』ベストアルバムsora no utaより)

優しく空が君を見下ろすよ いつでもここにいると
(『ビーズ』アルバムRed Planetより)

とりあえず歌詞を比較してみると空=見守る、包み込む、平等の母性が両者ありありと見られる。


ファフナー

いや、空だ。何もかも一緒くたに溶けている。自分の存在が、まるで優しい揺りかごの中に入れられ、大切に守られるような感覚。
(中略)
痛みが消え、悲しみも消えた。

(『カドカワムックNo.373冲方丁』p29より)

新居昭乃

あなたが引き換えにもらうものはなあに? 痛みと――気づいて助けて空へと導かれる夢を見るの
(『サリーのビー玉』ベストアルバムsora no utaより)

空は優しく包み込みすべてが渾然一体となる場所。そこではすべてがひとつなので個であることの痛みも悲しみもない。
ちなみに「空」は昭乃さんの歌詞の中で一番の頻出語である。

注意すべきは昭乃さんは母性による同化を完全救済として見ているところ。(のちにそうでもなくなるのだけど)
あと、『DEAD OR ALIVE』での『Shangri-La』もじりを見てみると、EXODUSは空の母性性が薄れているような印象? 掌握しているような……よく飛ぶし。


2.悲痛、切望
ファフナー

せめて君を温めたい ほんの少しの時間を与えて神様
(『Separation』より)

新居昭乃

ただ人を愛したいだけ
(『降るプラチナ』ベストアルバムsora no utaより)

お願いこの子を連れて行かないで 名前をつけてあげたいの
(『仔猫の心臓』ベストアルバムsora no utaより)

どうしようもない運命に打ちひしがれ丸裸の魂はささくれだつ。その絶望の中ただただ一片のささやかな祈りをせめてと切望する。
両者ともこの切羽詰まった悲痛さはのちに段々和らいでいくのも特徴。


3.どこにも行けない閉塞感とその解放への願い
ファフナー

夜明けなど二度と来ないような置き去りのままの影
(『暗夜航路』より)

・左目事件からの5年間の一騎の鬱屈、しかしもう一度総士と話がしたい
・長く続く戦争への消耗感
・竜宮島という閉鎖空間へのあれこれ(EXODUS)

新居昭乃

存在しない? 未来は 願い 始まりはどこに あぁ あるだろう
(『灰色の雨』アルバムRed Planetより)

空ばかり見ていた 窓から遠くへ あの雲の真下へ連れていって
(『きれいな感情』ベストアルバムsora no utaより)

そちらへ行きたい。解放されたい。この不毛な出口の見えない閉塞から脱け出たい。けれどできない。そして道を模索。やがてその出口が開けたり、出口への光を見つける。


4.つながりたさ
ファフナー

最初はみんなひとつだった。大きくて深い場所。そこから出てくることでみんなばらばらになった。
(中略)
すべてがひとつ。他人がいない世界。そこに帰りたいと思う気持ちさえ新しい発見。だって自分がどこにもいなければ帰りたいと思うことさえないもの。
(『蒼穹のファフナー』15話)

すべてがひとつである母体から個が生まれる→帰りたい(上記)
→左目事件
→帰らない、個として生きる
→個としての孤独。つながり(相互理解)がほしい
→わかりあえた(無印16話)、つながりあえた(HAEラスト。一騎と総士、人とフェストゥム
→一旦はつながったあとの世界(EXODUS)
→相互理解は簡単にはいかない。つながりが消えても何度でもつながりなおせる(ファフナーの答え)

空と海が溶け合う一線のように――本来まったく違う者同士でも、遙か遠い未来の地平で歩み寄り、理解し合えるのではないか、という痛切な希望。

(『カドカワムックNo,373冲方丁』p29より)

新居昭乃
時系列順
すべてがひとつの母体から個が生まれる→帰りたい
→帰れない、個として生きる(ex:『星の雨』『妖精の死』)
→個としての孤独。つながりがほしい(ex:『愛の温度』『Moonlight Anthem』『Adésso e Fortuna~炎と永遠~』)
→つながりあえた(ex:『懐かしい宇宙』『蜜の夜明け』)
→一旦はつながったあとの世界(アルバム『リトルピアノ・プラス』)
→答えは色々

生まれる瞬間はじまる 孤独の産声 還ろうと叫ぶ/すべてを受け入れ目覚める
(『星の雨』アルバム空の森より)

早くあなたに会いに行かなきゃ
(『愛の温度』アルバム降るプラチナより)

光の中に手を差し伸ばせば届く あんなに求めていたかけがえのない腕へ
(『懐かしい宇宙』ベストアルバムsora no utaより)

shed no tear!
The flower will bloom another year.
(『Fairy Song』アルバムリトルピアノ・プラスより)(ひとつの答え)

痛みのない安寧から放り出された個の痛み。孤独。そうして彼らは切望する。人とつながりたいと。わかりあいたいと。
わかりあえない断絶に絶望を繰り返しながらなお、つながりを求める。
そうして苦しい悲痛の叫びを経てやっとつながりを得る。(これが第2項の悲痛さが和らいでいった理由)
しかしながら得たつながりは長くは持たない。仮初の平和。
ならばそこからどう喪失と再生を受容していくか? これの答えはさすがにそれぞれ。
灰から何度でも花が咲くという循環はひとつの答え。

5.痛みとその癒し
ファフナー

世界に満ちる果てしない痛み。そのすべてに帰る場所があるのだと……今は信じたい。
帰りつく場所にある、最善の安らぎ。そのために、僕らはここにいるのだと。
(『蒼穹のファフナーHEAVEN AND EARTH』より)

新居昭乃

痛くても手をつないでいよう
(『Silent Stream』ベストアルバムsora no utaより)

痛みから 外へ New World 光へ
(『New World』アルバムエデンより)

痛くても希望を求める。痛みはやがて何かや誰かによって癒えていく。癒すことができる。


6.戦争のない平和を求める(痛みを癒したい)=青い空が見たい。絶望の中の希望
ファフナー

青い空が見たいよお
(『蒼穹のファフナーHEAVEN AND EARTH』より)

私たちが死んでも、希望は消えんぞ! フェストゥムうう!!
(『蒼穹のファフナーEXODUS』14話より)

新居昭乃
koorusuna.hatenablog.jp

・せめてもの悲痛の願い、「青空だけは残して」(『美しい星』ベストアルバムsora no utaより)。
・でも戦争によってむなしく青空はなくなる=平和は訪れない(『アトムの光』アルバムそらの庭より)。
・戦争はなくならない、けれども自分で希望を掲げることはできる(『Sophia~白の惑星』アルバムBlue Planetより)。

この記事ファフナー見る前に書いたやつなんだよな……。
悲惨な現状を受け入れた上での希望が両者に存在する。

7.輪廻と過去の記憶
ファフナー

やがて来る 生まれてくる 巡ってゆく命を
(中略)
忘れないと言うことしかできなくて
(『生命-イノチ-』より)

新居昭乃

その傷あと 悲しみが悪い現実(ゆめ)が光の方へ 灰の上に種を撒き花を咲かそう
(『祝祭の前』アルバムRGBより)

それは消えては生まれる命の歌声
いつもいつも忘れないように 風と鳥と空の哀しみを忘れないように
(『風と鳥と空~reincarnation~』アルバム空の森より)

命の循環。輪廻転生。リインカーネーション。(曲タイトルに「reincarnation」が入っているアキノ曲5曲くらいあったような)
荒廃から再生する。退廃は終わりではない。また新しい命が芽吹く。こうして循環していく。
そして、命宿る者、生きていた者たちのこと、過去の痛みを忘れずに未来へつないでいく。




だいたいそんな感じかな。
ほんと、ただの自分用の備忘録です。記録しないと忘れちゃうからね……。


完全に余談。私の背景。

私は『ぼくの地球を守って』が大好きで、恐らく人生で一番最初に読んだ漫画で、人生の基盤を成している。ぼく地球にはとある重要な部分で美しい歌声が流れるシーンがある。なんとなく「こんな感じかな」とおぼろげなイメージがあったんだけど、しばらく経ってOVAを見たらそのシーンで「この声だ!!!!」と衝撃を受ける。それが昭乃さんとの運命的出会い。人生の基盤はぼく地球じゃなくて実は昭乃さんだったんだ、と知る。
そして昭乃さん主題歌だということで『ゼーガペイン』を見てハマる。ゼーガは人生で一番何度も繰り返し見ているアニメ。
そしてあるときゼーガのイベントに行ったら猛烈に興奮して「ゼーガみたいなアニメ他にも見たい!!」と思う。探したらファフナーが出てきたので見る。ハマる。
二期EXODUSの最終話見たら「ぼく地球だ!!!!」となる(ファフナーが描いた少女漫画性――前世もの類型から見る生まれ変わった総士の姿 - 青い月のためいき)。一周した感。
そんなんだから私がファフナーに昭乃さんとの類似性を見るのも必然なんですよね……。