【新居昭乃歌詞分析2016】補論『リトルピアノ・プラス』に寄せて
「歌詞分析 2016」の稿は『リトルピアノ・プラス』リリース前にほぼ書き終えていました。そしてアルバム入手後、間違いなくこれは昭乃さんの30年の歴史の流れの中にぴたりと位置づけられるアルバムだと確信しました。
なので論の最後に『リトルピアノ・プラス』を盛り込んでも自然に繋げられるだろうと思いましたが、考えた結果、あえて補論として最後に別の項目を立てることにしました。
【新居昭乃歌詞分析2016】コラム:『Wings of Blue』の中の昭乃さんらしさ
このタイトル、逆説的に「『Wings of Blue』は昭乃さんらしくない」と言っているように見えますね。言っています。
ではなぜ昭乃さんらしくないのでしょうか?
まずこれを考えてみます。
【新居昭乃歌詞分析2016】コラム:『Orange Noël』読解
昭乃さんは「森」の一面を庇護と救済を約束する母なる閉塞空間と捉えていることは明かしました。
例えばそれは“ソラノスフィア”の概念とは違います。ソラノスフィアは心配も不安もない安息の地でありながら自由に行き来できる、外界に対して開けている場所のことです。それは昭乃さんの「内向きかつ前向き」な性質として実にわかりやすい概念でしょう。
それと対立する概念がここで言う、外界から完全に塞がれてしまった森です。