青い月のためいき

百合とかBLとか非異性愛とかジェンダーとか社会を考えるオタク

『ゼーガペイン』に心理描写や人間ドラマはないのか?

ADPいろいろと最高でしたね……。大怪我して帰ってきました。
ADP見る前に書き上げたかったけど時間がなかった。
そんなわけでADPのネタバレはありません。TV版におけるゼーガの考察です。……最後にちょっと白字でネタバレするのでそこだけ注意。
ADPも私の興味するところでネタになりそうなものはあるから今年中にはADPネタで投稿するかも。



最近TV版『ゼーガペイン』を見たという友人の友人が、ある日こんなことを言っていたらしいと耳にした。

ゼーガペインには心理描写がない。人間ドラマがない」

それを聞いた途端、私の頭は「?????」でいっぱいになった。
この心理描写だらけの作品でいったいなにを言ってるんだ?????
恐らくゼーガのファンで「心理描写も人間ドラマもない」と思っている人はいないでしょう。
私が思わず一本ブログ記事を書くことになるほど驚いた理由も、ゼーガが表面的なSF設定と物語展開だけを羅列してドラマをおろそかにしている作品ならば絶対に私はファンになっていないと確信してるから。

まずひとつ発言者の情報として、「婉曲表現を読解するのが不得意」というのが与えられた。
だから読み取れないんだなって納得するのは簡単だけど、あんなにもモノローグが散りばめられた、つまり婉曲表現の挟まる余地のない心理描写を読み取れないってことが果たしてあるのか??
発言者もどうやらオタクとのこと。物語の読み方がそもそもわかっていないということはないはず。
ではその人の感想と私の見ている世界の矛盾、これはどうやって説明できようか?


疑問を探るべく、TV版を改めて見返しました。
そしてやっと、どちらの意見も矛盾なく説明できる答えが見つかりました。

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【※考察じゃない】新居昭乃の曲とファフナーの共通点について個人的メモ

考察ではないです。単に私は屁理屈屋なのでこじつけが好きなだけです。
個人的に今昭乃さんの歌詞分析2016をやっていて、ファフナーと昭乃さんに共通点を見て「だから私ファフナー好きになったのか~」って遊んでたものを本腰入れて言語化・記録したかっただけです。
※本当に、どうか、この記事にこじつけ以上の含意を見出さないでください。私本人は真面目に共通点らしきものを探っているつもりですが、たまたま読んでくださった方にはこじつけとして汲み取っていただかないとちょっと焦ります。



さくっとメモ羅列。

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一騎が無恋愛者として描かれたことがもたらした意味

蒼穹のファフナーEXODUS』最終話までのネタバレありです。

セクシャリティーに関する考察。
正直言って前のブログから「ファフナー ホモ」なんかのたぐいのワードで検索されてるのが物凄くストレスだったんですけどもう今はいいです、なんの屈託もなくそういうつもりがなくても無意識に「ホモ」を軽んじ蔑してしまう人が読んでくれるなら。
特に同性愛は生産性がないとか寝ぼけたこと言ってるような人(これ同性愛者でも思ってる人いるからな)に理論を差し出せるなら。こっちは理論武装してますからいつでも戦闘準備は万端だ。


本題に入りましょう。
一騎が「恋愛をしそうにない人」として描写された結果どういう意味をもたらすことになったかという話です。
なんかそっちのほうがわかりやすいかなと思ってタイトルには「無恋愛者」と入れたけどとりあえず一般的には恋愛感情を持たない人を「無性愛者」と呼称するので(便宜上)そう呼びます。

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ドキュメンタリーにおける演出編集と信頼の効果をひたすら考え続けた森達也『FAKE』

がしがし本編のネタバレしてるし本編を見た前提で話を進めます。


森達也の映画は『A』『A2』、著書は『A』『A2』『A3』『それでも、ドキュメンタリーは嘘をつく』既読です。
それを踏まえてこの『FAKE』がどういう思想によって描かれたのか読解。
キーになるのは「演出」と「信頼」です。
ドキュメンタリーは完全なる事実ではなく人の手が加わった創作だから、「いかにも作為的な編集」と「被写体との信頼関係づくり」が重要になることをいかに作品に盛り込むか。

以下ほぼtwitter(鍵垢)で垂れ流していたことのコピペなので散漫な文になってますがメモとして。

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『月刊少女野崎くん』元ネタをリスペクトするということ

月刊少女野崎くん』が好きだ。

ギャグがめちゃくちゃ面白いし、キャラもみんな魅力的だし、絵も見やすくて、テンポがいい。
アニメも再構成や繋ぎが抜群に上手くて、千代ちゃん役の小澤亜李さんなんか最高すぎて一気に色んなアニメで名前を見るようになった。

非の打ちどころがない『野崎くん』だけど、私が何より好きなのは何かを馬鹿にしないところ。
特に私は「ホモネタ」に敏感で同性愛蔑視表現を見るとげんなりと消耗してしまうのだが『野崎くん』の同性愛ネタはぎりぎり蔑視までいかない、「同性を好きになるなんておかしい!」みたいな発言がない。
だから無駄に疲れずに笑うことができる。


少女漫画、これも馬鹿にされやすいもののひとつである。
「最近の少女漫画wwwwwww」とか聞き飽きたうるせえ。

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