青い月のためいき

百合とかBLとか非異性愛とかジェンダーとか社会を考えるオタク

一騎が無恋愛者として描かれたことがもたらした意味

蒼穹のファフナーEXODUS』最終話までのネタバレありです。

セクシャリティーに関する考察。
正直言って前のブログから「ファフナー ホモ」なんかのたぐいのワードで検索されてるのが物凄くストレスだったんですけどもう今はいいです、なんの屈託もなくそういうつもりがなくても無意識に「ホモ」を軽んじ蔑してしまう人が読んでくれるなら。
特に同性愛は生産性がないとか寝ぼけたこと言ってるような人(これ同性愛者でも思ってる人いるからな)に理論を差し出せるなら。こっちは理論武装してますからいつでも戦闘準備は万端だ。


本題に入りましょう。
一騎が「恋愛をしそうにない人」として描写された結果どういう意味をもたらすことになったかという話です。
なんかそっちのほうがわかりやすいかなと思ってタイトルには「無恋愛者」と入れたけどとりあえず一般的には恋愛感情を持たない人を「無性愛者」と呼称するので(便宜上)そう呼びます。

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ドキュメンタリーにおける演出編集と信頼の効果をひたすら考え続けた森達也『FAKE』

がしがし本編のネタバレしてるし本編を見た前提で話を進めます。


森達也の映画は『A』『A2』、著書は『A』『A2』『A3』『それでも、ドキュメンタリーは嘘をつく』既読です。
それを踏まえてこの『FAKE』がどういう思想によって描かれたのか読解。
キーになるのは「演出」と「信頼」です。
ドキュメンタリーは完全なる事実ではなく人の手が加わった創作だから、「いかにも作為的な編集」と「被写体との信頼関係づくり」が重要になることをいかに作品に盛り込むか。

以下ほぼtwitter(鍵垢)で垂れ流していたことのコピペなので散漫な文になってますがメモとして。

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『月刊少女野崎くん』元ネタをリスペクトするということ

月刊少女野崎くん』が好きだ。

ギャグがめちゃくちゃ面白いし、キャラもみんな魅力的だし、絵も見やすくて、テンポがいい。
アニメも再構成や繋ぎが抜群に上手くて、千代ちゃん役の小澤亜李さんなんか最高すぎて一気に色んなアニメで名前を見るようになった。

非の打ちどころがない『野崎くん』だけど、私が何より好きなのは何かを馬鹿にしないところ。
特に私は「ホモネタ」に敏感で同性愛蔑視表現を見るとげんなりと消耗してしまうのだが『野崎くん』の同性愛ネタはぎりぎり蔑視までいかない、「同性を好きになるなんておかしい!」みたいな発言がない。
だから無駄に疲れずに笑うことができる。


少女漫画、これも馬鹿にされやすいもののひとつである。
「最近の少女漫画wwwwwww」とか聞き飽きたうるせえ。

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『蒼穹のファフナーEXODUS』14話 一騎と総士の距離感について一考

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(『蒼穹のファフナーEXODUS』14話)

近すぎるよね??



私も一介のふじょしなのでもちろん「ん?」ってなりました。
初見はイベント先行上映時だったので大画面でこのカットが迫ってきて「ん?」ってなりました。

なんで隣に座ってるの?
……と、石井さんも喜安さんもだいぶ気になっていたもよう。
やっぱ誰がどう見ても近すぎるよね??

このカットがなぜこんなに関心をそそるのか、ふじょしだからなだけではないはずと思って考察してみます。

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『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』読解(主にまどかとほむらの想いの両義性について)

狂ったように叛逆を見ていました。
劇場公開時一度見たきりだったんですがふと見返したくなってレンタルしたら真っ逆さまに落ちた。
ついでにTV版も見返した。劇場版も見たほうがいいらしいですね。円盤買う。

もう議論し尽くされたろうけれど自分の物語体験をまとめたいので書きますつらつらと。

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